「家庭訪問?」
エージが首を傾げると、姫乃が”家庭訪問”と印刷されたプリントを手に、大きく頷いた。
「そう。担任の先生が来るの!先生が逃げると困るから、エージくんとアズミちゃんはお外で遊んでてね。
明神さんも!」
「え?・・・あ、ああオレも大人しくしてるから」
ぼうっとしていたのか、明神の応えは生返事だ。
それでも事情は理解したのか、明神は何度も何度も小さく頷いた。
「んーー・・・」
うたかた荘、共同リビングの固いソファに腰掛けながら、姫乃は低く唸っていた。
それを見たエージが訝しげに眉をひそめる。
「どうしたんだよ、ヒメノ。考え込んで」
「私、てっきり明神さんは入学式の時みたいに保護者とか代理人とか言ってくるかなと思ったんだけど・・・」
入学式のことを思い出しながら、姫乃は小首を傾げた。袴まで来て入学式に来てくれた人が、家庭訪問で大人しくしているものなのだろうか。
てっきり今度も保護者の代理人?と言ってくるかと思ったのだが。
「そりゃ言えねーだろうな」
「なんで?」
「女子高生に手ェ出したアパート管理人が担任の前で堂々と保護者ですたぁ言えねえだろう?」
「エージくんっ!!!」
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