短文









ブログより






薄っぺらい本のようなものをもって、沖田さんが志村家にやってきた。
玄関で掃き掃除をしていた僕は、突然話はじめた沖田さんの真面目な表情に、嫌な予感をひしひしと感じていた。
「職業は警察、帯刀はしょうがないでさァ」
「はあ?」
「で、S」
「服のサイズのことですか?」
「何とぼけてるんでィ。服も靴もサイズはそんなに小さくはないし、あっちのサイズも」
「そんなことは一切訊いてませんから」
「いや、かなり新八には関係のある話だろィ?」
「いえいえまったく関係ないですから」
「好きなものは新八、好きな番号は8、好きな飲みものは新八の」
「嫌な予感がするからそれ以上言うの禁止ー!!!!!!!」

急いで沖田さんを蹴ろうとすれば、すらりと軽い身のこなしでかわされる。まともにツッコミが入るような相手だとは思ってはいなかったけど、ツッコミ入れるべき部分だったとセンサーが作動したのだ。仕方ない。

「一体、何のようなんですか!?」
「髪はこの通りの色、お酒はたしなむ程度」
「それは嘘ですよね」
「ジェットコースターが苦手なのは新八だけに教える秘密でさァ」
「そんな秘密知っても価値ありませんけど」
「拳銃はもってるけど、そんなぶっぱなすような趣味はないんで」
「大砲ぶっぱなしますもんね」
「現在愛してるのが志村新八」
「あーはいはい」

一体何をしに来たのかわからない。
手にした本のようなファイルのようなものは依然として沖田さんの手の中。

「恥ずかしがりやだけど、新八を縛ったり、」
「はい禁止ー!!!!!!!!!!」
手の平を沖田さんの顎に押し付けて言葉を奪う。
これ以上何言う気だー!!???っていか、絶対何か言うつもりだったろう!?

「・・・・今日はこれをもってきたんでさァ」
もっていたファイルを手渡された。
ぺらりと開くと、沖田総悟の写真。これは、お見合いの釣書??
「お見合いの写真でさァ。今度の日曜、ホテルでお見合いだ。部屋もとってあるから、ちゃんと来るんだぜィ」
「どこの世界にそんな誘い方するお見合い相手がいるんだーーー!!!???誘われてるのは僕かーーー!!!!??」
「新八以外いねェ」
「!?」
突然真面目な顔になった沖田さんにびっくりしてしまう。
「・・・・・いろいろ用意しておきまさァ。××とか○○とか△△とか・・・」
「誰が行くかー!!!!!!!」
僕は去っていく沖田さんの後頭部に思い切り釣書をたたきつけてやった。
誰が、誰があんなSのところに行くもんかー!!!!!!!







ブログより






あなたのかほり
ぎゅう、と抱きしめられる。 
彼の鼻先が首にあたって、くすぐったい。 

「なんですか、沖田さん!?」 

「いい匂いがするんでさぁ」 

「は?」 

いい匂い? 
一体どんな匂いがしているというのだろう。 
香水なんてつけたことはないし・・・そしたらシャンプー? 
安いシャンプー?そんなのはありえないと思う。 
いつも使ってる石鹸だって固形の白い石鹸だし。 

「なんの匂いですか!?」 

自分の匂いは自分ではわからないから、気になって仕方ない。 

「沖田さん、何の匂いですか?シャンプー?石鹸?」 

「・・・さあ?」 

これは新八の香りなのだ・・・・・ 

沖田は鼻腔をくすぐる甘い香りに溺れていった。  
 





web拍手より






「あんたんとこの旦那と違って、ちゃんと仕事こなしてるんでさァ」
嘘付け、いつもサボってるくせにとは口に出して言わなかった。
奢ってもらっている立場であるので、ここは黙って聞いている。
「で、収入も安定してるし、ゆくゆくは土方を暗殺して真選組副局長に上りつめる俺からのお願いなんですがねィ」



「                   」


「はい?」


よく聞こえなかった、沖田総悟の言葉。

”嫁に来い”って何?


それって求婚?










店先に四角いものが見え始めた。
透明で、中に白い円いものが入った、冬を思い出すもの。


「・・・食いたいねィ」
食欲よりも。


「新八と、一緒に」
情欲が勝った。




ガラリ、と万事屋のドアを開けて。

「新八、一緒に肉マン食いませんかィ」










「ど、ど、ど、どうしてこんなことするんですかァ!!!」

「あんたを嫁にするためでさァ」

「何言ってるんですかァ!」

「俺の生まれた村には”自分より強い人間を伴侶にしろ”っていう掟があるようなないような」

「無いんだろォォォ、絶対ィィィ!!!」









82訓で沖新




新八は真選組の制服を着てやってきた沖田を「うらめしワン!」と脅かしてやった。
以前の幽霊騒動の時も彼は副長や局長ほど怯えることはなかったから(副長に呪いをかけるような男でもあるし)、大して驚きもせず、 笑われるくらいだと思いつつの行動だった。
しかし、予想に反して新八は笑われることはなく、逆に想像もしていなかった真面目な顔を向けられてしまう。
いつにない表情に ドキっとしたのもつかの間。
新八は突然沖田に抱きかかえられて、寺の裏へと連れて行かれてしまった。
適当な場所に下ろされたかと思うと、ぐいと上から体重をかけられて、押し倒されてしまう。
「なにしてるんですかァァァ!!!」
新八は沖田から逃れようとするが、慣れない衣装と沖田の細い肢体からは 想像できないほどの力によって地面に縫い付けられてしまう。
「沖田さん、一体・・・!!」
「縁日、夜、暗がり、ときたらアオ○ンに決まってまさァ」
「決まってるわけないだろうがァァァ!!!」
渾身の力でもって抵抗するが、真選組指折りの剣士に敵うはずが無い。
「観念しなせィ」
「・・・・・・!!!」











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