重なっていく
「今日も買い物?毎日大変だね」
「あれ?そんなにビックリした?俺は見廻りの帰り」
「ねえ、新八くん。ちょっといいかな?」
「そんなに震えて、怖いかい?俺も時間がないからさ・・・」
「・・・そんなに反抗的な目で睨んでくるくせに、体は正直だね」
「こんなところに男が二人いるなんて誰も思いやしないさ。声を我慢しなくてもいいよ?」
「旦那たちがきっと待ってるね。・・・まだ、逃がさない」
「ばれるかばれないかのスリルを君に」
「じゃあ、また、ね?」
くるりぐるり回る廻る、あの男の声。
なんとか、必死に意識を保ちながら万事屋へと帰る。
「遅かったなー心配したぜ」
と銀さんに言われて、「すいまっせーん、混んでたんですよタイムサービス」といつもの調子を装って返す。
実は男と会ってました、この体に触れられてました、熱がまだ燻っているんです、なんていえるはずも無い。
今日も、日常の中にいたのですと偽りを口にする。
こうやって、僕は嘘を重ねていくのだ。